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第3のグループに属する回答がある。これらの国では、受理できる証拠の一覧表が証拠法に列挙されており、コンピュータ記録は、この一覧表に明示されていないので、証拠能力を有しない[ビルマ、チリー、ドミニカ共和国]、あるいは単独の証拠として受理されないので、証拠能力を有する他の証拠との関係においてのみ信頼される[ルクセンブルグ、セネガル、ヴェネズエラ]。けれども、これらの国においても、コンピュータに記憶されている証拠(computer-stored evidence)を含めて、証拠能力(admissibility in evidence)に関する制限は、商事事件においても[ルクセンブルグ、セネガル]、係争目的物の価額が法定価額を超えない場合には、民事事件においても[ルクセンブルグ、セネガル、ヴェネズエラ]何も存在しないし、また、刑事事件においても存在しない[ルクセンブルグ、セネガル、ヴェネズエラ]。
若干の回答で、コンピュータ記録を証拠として使用することに関連する法律改正を積極的に検討中である旨が示されている[チリー、ドイツ、ハンガリー、ルクセンブルグ、英国]。
質問2.
「法廷がコンピュータで読取り可能な形式に記憶されている、または記憶された取引の記録を証拠として受理する場合、当該法廷は、コンピュータで読取り可能な形式の記録を受理しまずか、またはプリントアウトあるいはその他人間が読取り可能なアウトプット媒体を要求しまずか?」
回答の概要
若干の回答は、コンピュータ記録が証拠として受理されるためには、プリントアウトまたはその他人間が読取り可能なアウトプット媒体として法廷に提出しなければならないと述べている[デンマーク、フィリピン、セネガル、スウェーデン、英国、ザンビア]。その他の国の回答では、コンピュータ記録を法廷に提出する方法にはかなり柔軟性がみられる。一部の法体系では、法廷がコンピュータ記録を証拠として受理するであろうという解釈は、当該コンピュータ記録が法廷により理解可能であることを条件としている[オーストリア、カナダ、コロンビア、チェコスロバキア、ホンジュラス、メキシコ、ノルウェー、ポルトガル、トンガ、米国]。また、他の法体系では、Video Display Unit、その他見ることによって理解しうる形態によりコンピュータ記録を法廷に提出することが明示的に認められている[オーストリア(」部の管轄地域)、フィンランド、ドイツ]。
質問3.
「法廷がプリントアウト、その他人間が読取り可能なアウトプット媒体を要求する場合、法廷は、訴訟手続のために作成したプリントアウトを承認しまずか?あるいは、法廷は、当該取引1こ関するコンピュータ記録ぴ最初に作られた時に作成されたプリントアウトを要求しまずか?」

 

 

 

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